中古車を選ぶ際に走行距離を車両状態の目安にされるお客様は多いと思います。非常に残念なことではありますが、メーターの走行距離の改ざん、いわゆる「メーター戻し」をする販売店(業者)が存在し、そのような不正を行う業者が警察に摘発されるニュースをしばしば耳にします。
これは走行距離の多い中古車を安く仕入れ、走行距離表示を数万km単位で戻して実勢価格よりも高く販売するという手口です。また仕入れ値が安い分、売値を低くすることも可能なため、競合他店よりも良心的なプライスで販売しているように見せかける場合もあります。購入されるユーザー様、誠実に販売している販売店ともに頭の痛い問題です。
ムーヴメントでは以前から、新車時保証書、点検整備記録簿その他の方法により不正のない車を仕入れ・販売しておりますが、そのような昨今、国土交通省が、自動車検査証(車検証)に検査時の走行距離を盛り込む方針を正式に決め、平成15年7月3日に関係改正省令を公布しました。
これは平成16年1月のMOTAS(自動車登録検査業務電子情報処理システム)の更改にともなうものです。車検証には検査時点でメーターが表示している走行距離を記載するだけであり、実際の走行距離とは異なる場合もあり得ますが、ユーザー様にとって一つの目安になりますし、不正な中古車販売店に対する抑止効果という点では一歩前進したといえるでしょう。
また、自動車公正取引協議会(※)では、中古車の走行距離をチェックできるシステムをスタートさせるなど、公正な走行距離表示を推進するために関係各機関が努力しています。
※(社)自動車公正取引協議会とは、公正取引委員会から認定されたルールである「自動車公正競争規約」を運用し、車選びの際に必要な価格や品質などの適正な情報の提供と不当な表示などを禁止することを通じ、消費者に信頼される車販売を推進する機関として、昭和46年(1971年)12月に設立された公益法人です。自動車メーカーや国産・輸入車の新車・中古車販売店が会員となっており、ムーヴメントも会員になっております。